2019年6月22日に,下地ゼミ学生の占部由子さん(D2, 学振DC)が第158回日本言語学会において口頭発表することが決まりました。タイトルと要旨は以下の通り。
「南琉球八重山語石垣島大浜方言における焦点標識とモダリティ」
要旨
本発表は南琉球八重山語石垣島大浜方言 (以下、大浜方言) における焦点標識 (=du) の使用を 記述し、これを元に、Shimoji (2018) が提示する焦点階層に新たな階層を加えることを提案する。 これまでの琉球諸語研究では、命令文において焦点標識が出現できないことが指摘されてきた。 しかし、発表者の調査により、大浜方言では主語の対比焦点のときに、命令文でも焦点標識が出 現可能であることが明らかになった。Shimoji (2018) の階層は、大浜方言における焦点標識の出現 可能な範囲については説明できるが、大浜方言以外の方言において命令文で焦点標識が出現不可 であることは説明できない。これに対し本発表では、大浜方言と周辺方言における焦点標識の使 用を比較し、焦点標識が直説法、意志、命令の順で出現しにくくなるというモダリティの階層を 取り入れることで、通方言的な説明が可能になることを示す。
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