下地ゼミ学生の王丹凝さん(D2, JSPS)が,第160回日本言語学会の口頭発表に対して大会発表賞を受賞しました。(下地研究室からは第158回大会の発表賞を受賞した松岡さんに続いての快挙です。)
「南琉球宮古語新城方言における再帰代名詞duuとnaraの使い分け」
講評
本発表は南琉球宮古語新城方言における再帰代名詞の3つの形式、una、duu、naraの使い分けを記述し、特に機能的に類似した duu と nara に注目し、duu は一般的な再帰代名詞として汎用性がある一方、nara の使用には人称・格の制限があることを報告した。さらにCase Hierarchy (Blake 2001,2004)との関連を指摘し、本研究の類型論への示唆が論じられた。インフォーマントが1人であることや、発表スライドについて一部音声解説が欠落しているところなどについて改善の余地を指摘されたが、全般的に論が明快で発表もたいへん分かりやすく、方言調査に基づく記述にとどまらず類型論への貢献が論じられるなど、将来性の観点からも高い評価が得られた。
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